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大都市バルダーズゲート
高い城壁が真ん中を走っているので、単純に隣り合った地区に移動することが出来ないときもある。まずはすべての地区をまわって、地区間の移動が自由に出来るようにしておくと便利。ただし、東地区から直接北東地区に入らないこと。強制的にロスアンダークエストが始まってしまうため。
※ロスアンダークエストについては、北東地区マップに記載
ピンク小文字は下水道への入口
詳細は下水道マップ参照
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ゲートに入るなり、またしてもあの変なじいさんが現れた。自称エルミンスターだが本当の本当なのか、未だに信じ切れない。でもまあ・・・この人の言ってることは至極当たり前のことだ。とりあえず話を聞いておくのもいいだろう。今までと同じく一人でしゃべるだけしゃべっていたが、最後に「フレイミングフィストのスカールとエルタン大公は信用できる」と言われた。エルタン大公については知らないが、スカールと言えば橋で出会ったフレイミングフィストの司令官だ。確かに誠実そうな人だった。じいさんが去ったあと、コランがヒューッと口笛を鳴らした。
「ほぉ、エルミンスターに直接出会ったのは初めてだな。」
「知ってるの?」
「初めてだと言ったろう?だが、今のじいさんがただ者じゃないことはわかるさ。おそらく本物だと思うがな。」
いつも私に危害を加えるようなことはしないし、多少なりとも助言もしてくれる。なぜそんな有名人が私に興味を持つのか、単にゴライオンの子供と言うだけで・・・。血も繋がっていないのに・・・。
「考えても仕方ないって。それより、この町でも一旗揚げなきゃね。有名にならなきゃ敵が寄ってこないわ。」
イモエンはいつものごとくけらけら笑いながらそう言った。確かにその通りだ。まっすぐ商人協会を訪ねるつもりだったが、思いがけずフレイミングフィストからも仕事を頼まれたし、もう少し歩いてからにしよう。そう思っているところに声をかけられた。話を聞けば50Gくれるという。なんだか怪しい話だが、こちらは6人、相手は1人だ。出来るだけさりげない振りを装って申し出を受けた。男は本当に私の手に50G乗せ、シーフギルドのアラトス・「ラヴェンスカール」・スイバルドに会うよう言ってきた。シーフギルドに入る合い言葉まで教えてくれた。半信半疑で行ってみると、そのアラトス・「ラヴェンスカール」・スイバルドは、妙に愛想よく私達を迎えてくれた。が・・・持ちかけられた話は盗みの話だった。断ろうと口を開きかけたが、
(アデル、迂闊に断るな、ここはとりあえず受けておいたほうがいいぞ・・・。)
コランが背後から囁いた。今彼らは私達を雇うために手の内をみせた。この時点で私達には「断る」という選択肢は選べなくなったと言うことらしい。仕方ない。この組織はかなり大きな組織だと聞いたことがあるし、気に入られておいた方がこの町で有利に動けるかも知れない。気は進まないが引き受けるとアラトスに伝えた。盗みの場所は中央地区にあるオベロンの屋敷だ。10日のうちに遂行することを約束し、シーフギルドの中を自由に行き来する許可をもらった。シーフ達はみんなとりあえずは愛想よく接してくれる。でも誰一人として目が笑っていない。その時フロアに一人のシーフが入ってきた。まわりにいる連中とは明らかに違う風格を漂わせている。私達に気づくとじろじろと無遠慮に眺め回し、『ほお、新入りだな。どうだ?おまえの腕を試してやろうか?』と言ってきた。あまりに挑発的な言いぐさに思わず『どんな試験でも通ってみせる』と叫んでしまった・・・。盗みなんてやったこともないくせに・・・。幸いコランがそれを聞きつけて、ぜひ自分の能力を試してくれと言ってくれたのでホッとした。今日の夜更け、北東地区のスプラージングスタージョンで落ち合うことを約束し、私達はシーフギルドを出た。
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シーフギルドの腕試しを、コランは見事に遂行してみせた。すばらしい腕前だ。シーフギルドの中では私までが有名になり、最初よりはシーフ達の態度が柔らかくなったようだ。だが、翌日スプラージングスタージョンを出た私達は、思いがけない人物と遭遇することになる。その人の名はブリエルバラ。そう、コランが恐れていた「飛んでもないやきもちやき」の女メイジだ。だが様子がおかしい。話を聞けばなんとコランとの間に娘が生まれたそうだ。だが彼女は夫持ちで、しかも夫婦共に人間だ。そこにハーフエルフの娘が生まれればどう言うことになるかは、火を見るより明らかだ。案の定彼女の娘は哀れにも怒った夫に呪いをかけられ、明日をも知れぬ命だという。気持ちはわかるがいたいけな子供に怒りをぶつけるなど、人として許せない。ブリエルバラをあれほど恐れていたコランだが、自分に娘がいたことを素直に喜び、その娘の命を救うために力を貸してくれと私達に頭を下げた。コランにはいつも助けられている。不倫の片棒をかつがされるのはごめんだが、子供の命を救うというなら話は別だ。私は二つ返事で引き受けた。
早速ブリエルバラの夫が滞在している「ロウランタン」という賭博場に向かう途中、北東地区の東側で、奇妙な男2人に出会った。マレックとロスアンダーと名乗ったその男達は、アイアンスロウンに雇われているという。早い話が、今までさんざんアイアンスロウンの邪魔をしてきた私達を脅しにかかっているのだ。
「警告はした。あとはお前次第だ。」
残忍な笑みを浮かべて、マレックは去っていった。後を追っていったロスアンダーという男が、立ち去る前にチラチラと私のほうを窺っていた。あの2人は仲間だろうに、なんであんなにおどおどしているのだろう。
「だれが好きこのんでアイアンスロウンなんぞに味方するか。奴は脅されているのだろう。さっきのマレックとかいう奴だってそうだ。ああ言わなければ自分が殺される、あの尊大な態度は、恐怖の裏返しじゃ。」
吐き捨てるようにいったのはイェスリックだ。なるほど彼らは、もしかしたら脅されているのかも知れない。だがマレックのほうは私達におもねる気はないだろう。あのロスアンダーという男なら、もしかしたら話によっては、うまくこちら側に引き込めるかも知れない。
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南地区の「ロウランタン」にやってきてみたが、どうも、かなり怪しげな場所らしい。まずは情報収集から始めようとこの地区を一巡りしている途中、オーガメイジ達に襲われた。
「殺戮の子がアデルに賞金10000ゴールドをかけた。いただくのは我々だ!」
殺戮の子とは一体誰のことだろう。だがそれを聞く余裕はなかった。オーガとは言えメイジはやはり強い。やらなければこちらがやられる。やっとの事で倒し、荷物をあさってみたが何も出てこなかった。殺戮の子・・・どこの誰かはわからなくても、そいつがどんな風体かはわかる。キャンドルキープを出た日の夜、私達を襲ったあの鎧の大男・・・。ゴライオンを殺した、あいつに違いない。不意にあの日の怒りと悲しみがこみ上げてきたが、私は無理矢理その感情を抑え込んだ。今は私のことよりもコランの娘のことだ。一通りの情報を集め、私達はロウランタンに潜り込んだ。支配人らしい男は思ったよりも丁寧で、感じは悪くなかったが、目つきは鋭かった。私達はさりげなくあたりを見渡しながら、メイジらしい男を捜したが見あたらない。宿泊客はここにはいないらしい。私達は下へ下へと降りていき、地下3階でヤゴらしき男に遭遇した。彼の話を聞く限り、ブリエルバラとこの男との結婚生活はすでに破綻しているらしい。ブリエルバラの浮気が原因なのだから自業自得と言いたいところだが、それにしても小さな子を呪って憂さを晴らすというのはあまりにも幼稚な仕返しだ。ナマラの呪いを解いてくれるよう頼んだが、案の定ヤゴは受け入れず攻撃してきた。だが一撃を食らわすと情けない声で命乞いをしてきた。無駄な殺しはしたくない。コランも別にこの男の死を望んではいないという。私達は呪文書を渡してもらい、ヤゴを逃がした。ブリエルバラに呪文書を届けたときにその話をしたけれど、彼女はもう夫と決別して娘を育てていく覚悟は出来ているらしい。だがコランのほうはさっぱり覚悟が出来ていないらしく、彼女の元に残るつもりはなさそうだった。
娘には時々会いに行くことを約束して、コランは私達と共に宿屋を出た。今度は自分達の目的を果たさなければならない。シーフギルドのアラトスの依頼をこなすときが来たのだ。無用な殺戮を避けるためには、やはり魔法に頼るのが一番いいとイモエンが言った。私はブーツ・オブ・スピードを履き、イモエンにヘイストの呪文をかけてもらい、さらにインヴィジビリティのポーションを飲んでオベロンの屋敷に忍び込んだ。だが召使い達はだませても、力のあるメイジには簡単に見破られた。シャンダラーの娘達が呪文を唱えている間に、私は部屋のチェストに突進し、中にあったものを洗いざらい抱え込んで階段を駆け下りた。インヴィジポーションの効果はまだ消えていない。汗だくになって外に飛び出したが追手の気配はない。このわけのわからない彫像やら本は、本当にハルーアンスカイシップなるものを作る材料なのだろうか。だが、この疑問の答えはすぐに出た。私達がアラトスに仕事の成功を報告しに向かったとき、彼らは私達を手放しで褒め、そして知りすぎた代償に殺そうとしたのだ。つまりこの奇妙なアイテム類は間違いなくスカイシップの材料だと言うことだ。応戦しようと身構えた私達の後ろからナーレンが飛び込んできて、口汚く罵りながらハルーア人を殺した。そして怒るアラトスに向かって彼は「仲間を殺させはしない」と言い切ったのだ。アラトスはひるみ、すでに私達がシーフギルドの中で一目置かれる存在であることを知って頭を下げた。どうやら私達は、やっとここの連中に仲間として認めてもらえたらしい。ドロボウの仲間と言うことに、今の私はもうこだわっていなかった。バルダーズゲートでの活動の足がかりを、私達は今確実に一つ手に入れた。
「ねえ、市場でも見てみない?」
イモエンの発案で、私達は中央地区に向かった。この町に来てからどこも見る余裕もなく走り回っていたのだ。少しは息抜きもしたいし、市場ならば情報収集にはもってこいの場所だ。だが・・・・その市場で私達は思いもかけない人物と再会した。北東地区で出会ったアイアンスロウンの手先、ロスアンダーだ。泣き出しそうな顔で話を聞いてくれと言われ、仕方なく聞き始めて驚いた。私達はいつの間にかあのマレックという男に毒を盛られ、10日後には死ぬ運命にあるというのだ。そしてこの男は呪いをかけられ、無理矢理マレックの手伝いをさせられているという。自分の呪いを解く方法を探してくれたら、私達の毒を解除するポーションを手に入れる手伝いをしてくれるという取引だ。この男が演技をしている可能性もないわけではないが、取りあえず話には乗ることにした。6人いっしょなら、たいていの危険には立ち向かえる。私達はロスアンダーの案内で、市場に店を出しているディヴィナーに占ってもらうことにした。
「ウォータークィーンズハウスのジャランサ・ミストミール」
ロスアンダーの呪いを解く方法を知っている唯一の人物だ。ウォータークィーンズハウスと言えば、アンバーリーの寺院だ。ロウランタンの向こう側に建物が建っていたはずだ。そういえば以前そのアンバーリーのプリーステスを助けたことがあった。まだ小さな子供だったが、物言いはとても子供のそれではなかった。彼女もそこにいるのだろうか。もっとも、たとえいたとしても、とても旧交を温めるような雰囲気にはなりそうもないけれど。
アンバーリー寺院はあまり評判がよくない。その評判はあながち嘘とも言い切れない。南地区に住む人々は寺院から顔を背けるようにして歩く。ジャランサに会わせてくれと頼んだだけなのに、「寄付」を要求された。仕方なく50G出すというと、応対に出たプリーステスは笑顔でジャランサを呼びに言ってくれた。「寄付」を、なぜか自分のローブのポケットにねじ込みながら・・・。
やがて出てきたジャランサは、金では動きそうにない人物だった。その読みは当たって、私達はもっとタチの悪い「頼み事」を引き受ける羽目になった。
「レディースホールの司祭から、ブック・オブ・ウィズダムを手に入れてくれば、ロスアンダーの呪いを除去する巻物を渡そう」
簡単に言ってくれる。もっとも自分達では簡単に遂行できないからこんな取引を持ちかけるんだろうけど。ここまできたならやるしかない。お金ならば今まで貯めたものがある。さてレディースホールの司祭はお金でその大事な本を売ってくれるのか。売ってもらえたらそれはそれで悲しいかも知れない。すでにブランウェンとイェスリックはカンカンだ。神に仕えるものが金に目がくらんでどうするのか、と言うのだ。私も同じ考えだった。今までこの2人といろいろと話をしてきて、神を信じると言うことがどう言うことか少しだけわかった気がしていたのに、なんだかまた信じられなくなりそうだ。
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