8月掲載分の裏話です。小説とあわせてお読みくださいませ。
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久々のおまけ掲載です♪
2005 08/15 掲載
こんにちは。
7月下旬から書き始めたおまけが完成しました。ひとりごとにも書いた通り、初の現代版にして本編現代編のプレストーリーです。ここでの登場人物は本編にも出てくる予定なので、一通りの人物紹介などを。
アスラン 18歳
クロービスの息子カインの相方。見た目はとても落ち着いて見えるので、カインより年上に見られることが多く、さらに呪文使いだと思いこまれること多々あり。本人は呪文に関してはさっぱりなのでいささかそれがコンプレックスになっているらしい。母親が元娼婦だったことを知った妹と、母親の間の確執に心を痛めている。非番の日にイルサと偶然会ったことから、彼女に恋心を抱くようになる。
イルサ 20歳
クロンファンラの図書館の司書。本編の主人公クロービスの隣人ライザーとイノージェンの娘であり、カインの幼なじみ。故郷にいた頃はカインに恋をしていて、司書の試験に合格し、故郷を出る前に一世一代の勇気を振り絞って告白するも失恋。それから1年近く過ぎているが未だに彼の面影を引きずっている。司書としては優秀で、採用されて一年足らずでありながら王宮と王立図書館との橋渡しとも言うべき蔵書の入れ替えを任されるほど。仕事中に偶然アスランに出会ったことから、少しずつ彼に心を開いていくようになる。
ソフィア 30代前半
王宮図書室の司書。クロンファンラへの蔵書入れ替えも何度も経験しているベテラン。小さな頃から本好きで、王宮の図書室には出入りしていたので歴代司書達のこともよく知っている。王宮の行政局に勤める夫との間に二人の子供がいる。イルサとは仲がよく、アスランも気に入っているので二人のことは応援したいらしいが、カインにはわりとシビア。
リガルト 30代前半
ロコの橋を守る灯台守。新婚一年で子供が生まれたばかりだが、王宮での研修で城下町に来ていた。灯台守達を束ねるレイナックからアスランとカインのことは聞いていたらしく、興味を持つ。剣の腕はいうに及ばずなかなかの美男子なので王宮勤めの女性達からの受けもいい。
フィリス&クロム 二人とも26歳くらい
カインとアスランの先輩にあたる王国剣士のコンビ。若手の中ではかなりの腕前で、将来を嘱望されている。フィリスは呪文使いで、クロムは気功の使い手。カインとアスランはこの二人に何かと世話になっている。
オシニス 45〜6歳
剣士団長。小説本編、回想編に出てくるクロービスの先輩でありライザーの相方。若手からは鬼の団長と恐れられている反面慕われてもいる。怒ると口より先に手が出るが面倒見がいい。イルサとその兄ライラを自分の子のように思って温かく見守っている。実はカインに対しても同じ気持ちなのだが、自分の部下を特別扱いすることは出来ず、いささか歯がゆい思いをしている。女王フロリアには特別な感情を抱いており、彼女の治世を支えるために自分の人生をすべて使う覚悟でいる。採用担当官ランド、副団長のハリー(今回の出番はなし)とともに剣士団の運営にあたる。
ランド 47〜8歳
王国剣士団の採用担当官。オシニスとライザーとは同期だが、他に同期の剣士がいない。オシニスとライザーがコンビを組んだためにあぶれてしまう格好になったが、そのおかげで採用担当を手伝うことになり、今に至っている。ライザーが剣士団を去ったあとは、オシニスの数少ない理解者。元王宮ロビーの案内係だったパティと結婚して、子供が3人いる。
ラエル 22歳
カインとアスランの先輩剣士。歓楽街の女性とつきあっているらしく、彼がランドにそのことで相談を持ちかけたことが原因で、カインはアスランの母親が以前どんな仕事をしていたかを知る羽目になる。フィリスやクロムほど腕が立つわけではないが、王国剣士としては標準的実力の持ち主。
セーラ 45〜6歳
夫と共に商業地区で若者達に人気のあるコーヒーショップを経営している。元歓楽街の娼婦だったことを隠さず、いつも明るく振る舞っている。店のオープン当初は昔の客から恐喝まがいの嫌がらせを受けたこともあったが、夫であるザハムが彼女がいた店の元用心棒だったことで、何とか事なきを得て今に至っている。イルサの兄ライラがこの店の常連で、実はカインも一度この店に顔を出しているらしい。店を訪れる若者達の恋の行方をいつも心配している。子供はいないらしい。
ザハム 52〜3歳
セーラの夫。元歓楽街のとある店の用心棒だったらしい。そこに他の店からうつってきたセーラと知り合い、彼女が借金を返し終わるのを待って結婚した。用心棒時代からコーヒーが好きで、自分なりに工夫したブレンドなどを店の女達に飲ませて好評を得ていた。料理好きのセーラと結婚したのを機に用心棒から足を洗い、商業地区に小さな店を買ってコーヒーショップを開き、今に至る。自分が強面であることを自覚しており、出来るだけ笑顔を絶やさないように工夫している。
オシニスとランドは年齢が変わっているので、あらためての紹介です。カイン坊は何も変わっていないので省略(笑)さて、いかおまけネタバレです。
しつこいようですが、この話は小説本編現代編のプレストーリーです。なのであちこちに謎が出っぱなしのままになっていますが、そのあたりはいずれ本編で解明される予定なので、今は気にしないでください。実はこの話には前日談もありまして、本文中でアスランが言っていた「ライラと会ったことがある」日の話です。こちらはまだ途中になっています。この話が完成すれば公開したいのですが、おまけにばかり力を入れても本編が進まないとどうしようもないのでいささか思案中です。実はその話はカインの視点から描かれていまして、思いついた順番としてはそちらのほうが先でした。ところが途中でつまり、そのままになっていたところ突然そのあとの話が浮かんでしまいまして書き始めたら半月程度で出来てしまったというわけです。
今回のおまけ6についてはアスランの視点から描いてみました。クロービスの息子のカインという人物は、優しくて思いやりがあるのは確かなのですが、その反面平和な時代にのびのびと育っている「イマドキの若者」の面も持ち合わせています。ではその相方となったアスランという若者はどんな奴か。本編ではカインの口から語られているだけですが、掃除洗濯も苦にせずこなすらしく、おまけ6の中ではソフィアの頼みを二つ返事で引き受けるなど、なかなかフットワークの軽い若者のようです。でも見た目が落ち着いて見えるというのは、顔の造作だけの問題ではなさそうです。てことはカインほど平和にのんびりと育ったわけではなさそうだなあ、などと考えていたらこんな話になりました。ここでは小説本編でカイン坊の話の中に出てきたシーンがいくつか出てきます。どこなのかは探してみてください。時期としてはカインが故郷に帰ってくるだいたい一月前の話になっています。
そして今回のヒロイン(?)イルサですが、42章(だったかな)でアローラやウィローがクロービスにカインとイルサのことを語っていましたね。でもどうやらイルサ本人にとっては彼女達が考えているよりもっと深刻だったようで、カインを忘れられずになんと一年近くも引きずってしまっています。ソフィアの言うようにイルサは自制心が強くて感情を表に出すことが苦手なので、すべてを抱え込んでしまったようです。このあたりはライザーの性格に似てるのかも知れません。さてそこにアスラン君登場です。イルサのまわりには今までいなかった、妙に落ち着いたタイプのアスランに、イルサが興味を持ったことは確かなようですね。この後の展開が気になるところですが、続きは本編で描いていく予定です。
さて、本文のほとんどがアスランとイルサの話になっているのですが、ちょこちょこと出てくるオシニスの話も気になるところでしょうか。実は本編のプレストーリーはこちらがメインだったり(笑)オシニスがレイナックから調査を命じられた『薬草の価格の高騰』ですが、この話にからむ話が44章にも出て来る予定です。ナイト輝石製の装備が高騰しているという話はもっと前に出てきていましたよね。一見何の関係もなさそうなこの二つの話が、オシニスの手元の記録と照合するとどうやら繋がっているらしい。そして唐突に出てきた『彼の人』の存在とは・・・!?
ここである程度話がふくらんできたので、本編のほうも進みそうです。でもしばらくかかるかも知れないので、おまけか本編か、先に出来たほうを出すことにしたいです。
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